お産

このご時世で嫁の実家の近くに周産期医療に力を入れている病院があったこと(でもって予約に成功したこと)は大変な幸運であったのだろうと思う。あの病院にお世話になれていなかったら・・・(縁起悪いので自粛)。どうか母子ともに無事に出産を乗り切れますように。

というわけで、「私は医療についてはド素人です」という言い訳を先に書いておいてから、日本の産科が大変だ、という話を。

産科が減っていく

産科、辞めます。 - S.Y.’s Blog

このままだと、分娩は、選ばれた人のみが快適に過ごせるゴージャス産院と、飛び込み分娩・その他何でも受け入れの公立病院の二極化が進みそうな予感。

二極化どころか「どこにも受け入れてもらえない」を含む三極化(?)になりそうで怖いのですが。受け入れ能力には限界があるでしょうし、奈良の妊婦死亡事件みたいのが珍しくなくなるんじゃないかとか。。。

高齢出産

上と同じページから。

「どうする?日本のお産」プロジェクト - ホームページの質問9あたりに書いてある医師の発言がすべてだと思う。落ちると読めなくなるので貼っておく。

自然というものがどれほど残酷で厳しいものなのか、もっと深く考えるべきである。
(激しく後略)

御意。どっかで「お産ってのは、命がけなんです」とかゆーのを読んだ覚えがある。正直実感は無いが、そうなんだろうなって思う。

で。元の文章が述べてるのはもっと広く出産全般についてだけど、特に高齢出産について個人的な見解を。

高齢出産って、昔は 30歳以上の出産(初産)のことを言ってたような気がする。今は 35歳以上を指すらしい。40歳以上だと「ハイリスク分娩」になるんだとか。ただし 35歳を過ぎててても若いうちに出産しているとかなりマシらしい。
それ(近年、高齢出産の基準が 30歳 → 35歳に引き上げられた)が私の勘違いでは無かったとして、じゃあ 35歳までは安全なのか?とゆーとそれは違うと思う。だいたい、ほんの数十年で人間の身体構造が変わるわけは無いのだから 30歳 → 35歳に高齢出産の基準が引き上げられたのは周産期医療の発達の恩恵であるはず。言い換えると、実は 30〜35歳の妊婦が医療の助け抜きで出産(初産)するのは困難なんじゃないの?と(であれば 36歳以上がさらに困難なのは自明)。

人間を動物として考えた時、出産に適した年齢ってのはもっと若くって、20歳前後なんじゃないかな?って思う。いや根拠は無いけど、なんとなく。ただ、十代で結婚出産ってのは今の社会ではやや難があるだろうし、二十代前半でも心理的に抵抗がある(まだ独身を謳歌したい)人が多そうな気がするけど、(するなら)せめて二十代のうちを推奨と言うか、晩婚化で初産の年齢も上がっていくのはまずい傾向なんじゃないかと。。。なので、若い人の子育ての不安や負担を軽減するようにしないと云々。

という自分はまさに晩婚なんだけど。結婚どころか生まれて初めて彼女が出来たのが三十過ぎてからだったし。orz

医療関係者の待遇

ところで。これって「労働問題」でもあると思うわけで。

昨日の日記で「労働者側が価格と成果の交渉権を(建前でなく真に)持っていることが必要」なんて書いたけど、つまり「価格と(広い意味での)成果に不満がある」医療関係者たちが自らの「交渉権」を行使した結果がこれなわけですよ。となると次は交渉相手であるところの国民がどう出るか、だと思うんですがね。いや他人事じゃ無くて。

個人的には、医師の年収ン千万とかってのはなんか実感がわかないので賛成でも反対でも無くって、とにかく激務を緩和とゆーかもっと人間らしい生活ができるような体制作りを進めて欲しいと思う(これは別に医療関係に限らないか)。で、そのために医師や看護士を増やす必要があって診療報酬や医療費が上がるなんてのはむしろ賛成。医療費の削減は「無駄を無くす」とか「予防医療を推進する」あたりで進めて頂き、健康保険制度も経済弱者を救えるように財源の一本化とか云々。道は険しいんだろうけども。こと銭金に関して「無い袖は振れない」のは事実だし。